ピルの通販は自己責任

微笑む女性

避妊や月経困難症の改善などを目的としたピルは、わが国では諸外国に比べてそれほど普及率が高いとまではいえません。
女性の選択肢として認知されてきているとはいっても、実際にピルを入手するにあたっては、病院やクリニックの婦人科などを受診した上で、医師による処方箋を事前にもらってくる必要があります。
このようにピルを入手するにも手間がかかり、かぜ薬や目薬のように、ドラッグストアの店頭などでは気軽に買えないということも、その大きな原因となっています。

しかし処方箋がなくても入手できる方法もまったくないわけではありません。
たとえば海外の薬局から通販で購入する手段があります。
これは国内の通販とは違って個人輸入という形式になりますので、法令によるいくつかの条件を満たさなければなりません。

もともとこの制度は難病の人が国内では未承認の新薬を必要に応じて一時的に個人輸入する場合などを想定したものです。
そのため個人で一度に使い切れる程度の少量に限定され、極端なまとめ買いはできません。
個人輸入した製品は本人が使用するにとどまり、無料であっても他人に譲渡することも認められていません。

医薬品は心身への作用を及ぼすことから、安易に解禁すると逆に副作用による被害が拡大するおそれがあります。
そのために国内では処方箋がなければ入手困難という強固な規制により守られており、個人輸入はあくまでも例外的な措置で、それさえもさまざまな規制の下に置かれています。

したがってピルの通販は自己責任となってしまいますので、体質に合わない場合なども考慮の上での慎重な判断が必要です。
国内で普通に流通している医薬品であれば、服用によって副作用が発生した際には、医薬品副作用被害救済制度の適用がありますので、いざという場合でも安心です。
しかし個人輸入ではこの医薬品副作用被害救済制度の適用は受けられませんので、その意味でも自己責任ということばがクローズアップされてきます。

作用をしっかり確認する

ピルのような医薬品を海外から通販で取り寄せる場合には、自己責任の原則をしっかりとわきまえることが重要です。
その一環として、人体への作用のメカニズムや起こり得る副作用についても、事前にある程度は調べて一定の知識を得ておくことが求められます。

ピルは錠剤に含まれている女性ホルモンを化学的に合成した物質の作用によって、妊娠を防ぐはたらきをする製品です。
通常は毎日決まった時間帯に飲み続けることになりますが、もしも数日にわたって飲み忘れが生じたり、嘔吐などのために成分が体内に摂取されなくなってしまった場合、本来の作用が期待できません。
その結果として避妊に失敗する可能性もあることは理解しておくべきでしょう。

またピルとはいっても錠剤中に含まれているホルモン成分の量は製品によって大きく異なり、それが原因で吐き気や頭痛、下腹部痛などの副作用が起きるおそれがあります。
このような副作用もやはり自己責任の範囲に含まれます。

吐き気などの症状は実はそれほどめずらしいことではなく、飲み始めの一時期には体内のホルモンバランスの変化にともない起こりやすいとされています。
症状がひどいようであれば、使用をいったん中止するとともに、婦人科などの病院を受診して、くわしく調べてもらうことが必要です。

病院を受診した結果として、場合によってはホルモン量が少ない別の製品を処方してもらえる可能性もあります。
海外からの通販とはいっても、服用実績がまったくない銘柄を購入する方法だけとは限りません。
いったん病院を受診の上で処方されたものと同じ銘柄のピルを、国内よりも安い販売価格で取り寄せる方法もありますので、病院の受診は安全策のひとつとして覚えておきたいところです。